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犬のしもやけの症状となりやすい個所・ケア方法を獣医師が教えます

冬の大敵しもやけ、犬もなります

冬になって気温が下がると、私たちの人間の手は赤くなったり、ピリピリと痛かったり痒かったり、いわゆる「しもやけ」になってしまうことがあります。このしもやけ、犬も同じような症状を示すことがあります。犬の足の裏は肉球だから強いはず、というのはちょっとかわいそうな間違いです。飼い主さんが犬のしもやけについて正しく知っていれば、犬に辛い思いをさせずにすみます。今回はしもやけの症状や犬がしもやけをおこしやすい場所、予防やケアについて解説していきます。

しもやけとは

しもやけとは別名「凍瘡(とうそう)」と言われるもので、寒さによって皮膚表面の毛細血管が収縮し血流が悪くなることで炎症が起きてしまう病態をさします。炎症が悪化すれば、赤みだけでなく水ぶくれができてしまったり、細菌感染が起きてしまうこともあります。

しもやけの原因

気温5度前後の寒さに体の組織が晒され続けると、寒冷刺激によって毛細血管が収縮します。体の末端、つまり指先や耳など元々あまり太い血管のない部分では、細い毛細血管が収縮してしまうと血流が少なくなり、すぐに血の巡りが悪くなります。血の巡りが悪くなると組織が酸素不足になりやすくなり、寒さ刺激と組織の酸素不足が合わさることで炎症がおきてしまうのです。これがしもやけになる原因です。

犬のしもやけになりやすい場所

太い血管が走っておらず、筋肉や脂肪あまりない体の末端がしもやけになりやすい場所です。犬では、耳が最も起きやすく、次に足先(肉球やその間)、まれに鼻先もしもやけになってしまうことがあります。

冬になってしもやけと思われる症状で動物病院で診るのは、耳が最も多いと感じます。特に耳が垂れている犬種、ミニチュア・ダックスフント、マルチーズ、トイプードルなどではよく見られます。これらの犬種では耳を覆う毛が比較的少なく、また耳の厚さも薄く長いため血流が悪くなりやすく、寒さの刺激を受けやすいと言えるでしょう。

足先がしもやけになるのは、普段からあまり外を散歩しない犬で見られます。室内で主に生活していて、散歩にもほとんど行かない犬の肉球はとても柔らかく、その肉球で急に雪の上を散歩したりすると簡単にしもやけになってしまいます。

犬のしもやけの症状

人間と同じように、犬のしもやけで最初に飼い主さんが気づく症状は痒みだと思います。冬のお散歩の後に、なんだか足の裏を舐める、耳を痒がる、などです。もしくは飼い主さんが赤みに先に気づくこともあるでしょう。耳の皮膚が赤くなっている、肉球の間の皮膚が赤くなっている、などです。

耳に関しては、痒みより先行して毛が抜ける、といった症状が見られることもあります。寒さ刺激と血流障害によって毛根がダメージを受けて、パラパラと簡単に耳の毛が抜けてしまうのです。

犬のしもやけを予防するには

しもやけは寒さ刺激によって引き起こされるので、予防は「寒さ刺激を与えない」ことが大切です。冬に外を散歩する場合、特に雪が降るなどして地面の温度が下がっている場合には足の裏がしもやけになる可能性が高いです。その場合は散歩を控えるか、もしくは犬用の靴などを履かせたほうが良いでしょう。普段から散歩にいかない犬の場合は対策が必要です。

耳のしもやけは、外気温が5度以下になったら対策をしましょう。耳が冷たい風に長時間当たらないようにすることが大切で、スカーフで頭を巻いたり、犬用洋服のフードを頭にかぶせるなどすると有効です。たまに鼻先がしもやけになる犬を診察することがあります。一般的には、犬の鼻先は様々な情報を感知する高感度センサーのような部位で血管が非常に豊富なので、寒さ刺激でしもやけになることはあまりありません。しかし、雪がたくさん積もったことが嬉しくて雪に鼻をズボッと突っ込んで遊ぶことを長時間してしまうと、さすがに犬の鼻先もしもやけになるようです。

犬のしもやけのケア方法

犬が雪の中に鼻をズボッと突っ込んで遊ぶことにハマってしまったら。もしくは地面が凍った上を歩いて散歩したら。とても寒い冬の日に長時間の散歩をして耳が冷たくなっていたら。まずそういった状況に気づいたら、しもやけになりそうな場所を温めます。耳や足の裏や鼻先です。

しかしいきなり熱いお湯をかけたり、ドライヤーで急激に温めたりしてしまうと、皮膚が冷たさから一気に熱さを受けてしまい、炎症を起こすことがあります。犬のデリケートな皮膚に炎症を起こさないよう温めるには、慌てずにゆっくりと温めることが大切です

具体的には、人肌、つまり飼い主さんの手で部分的に温めてあげます。耳であれば手で挟んで温めてあげてください。足裏であれば、氷の上を歩かないようにして膝の上に乗せてあげるのも良いでしょう。ただし鼻先は、雪に鼻を突っ込むのをやめさせれば、血流豊富な部位なのですぐに温まりますので、特にケアは必要ありません。

もちろん人肌でなくても、30度前半のお湯をタオルに湿らせて当てる(温罨法)でも良いでしょう。じんわりと温めるイメージです。そういったケアをしても、犬が痒がっていたり、皮膚が赤くなってきてしまったら動物病院を受診して炎症を抑えるなどの治療を受けましょう。

まとめ

犬も人間同様にしもやけになり、なりやすい場所は耳、足裏、鼻先です。冬の特に寒い日、または雪や凍った道の上を歩くことで足裏や耳はしもやけになります。寒い日に長時間散歩をしたら、雪や氷の上を歩いたら、しもやけになりやすい部分を手や30度前半のお湯などでじんわりと温めてあげましょう。こうすることでしもやけになってしまうことを避けられるかもしれないからです。それでも皮膚が赤くなってしまったり犬が痒がる場合には動物病院を受診しましょう。炎症を起こした場合には薬などの治療が必要です。