イヌケア

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犬が誤飲をした時の正しい対処法を獣医師が解説します

人間の赤ちゃんと同じように、犬も食べてはいけないものを食べることがよくあります。犬が単純に「美味しそう!」と思って食べてしまう場合もありますし、食べてはいけないものだと飼い主さんから教えられていないために勘違いして食べてしまうものもあります。中には、異物を食べてしまったことで手術などの大事に至ったり、もしくは毒性によって命を奪われる場合もあるため注意が必要です。犬が誤飲をした時の症状、自宅でできること、してはいけないことなどを解説したいと思います。

犬の誤飲による様々な症状と危険性

「誤飲/誤食」による症状は、食べたものによって異なります。犬の胃腸で消化はできるけれども毒物である場合には中毒症状が問題になり、消化が出来ない物(プラスチックや金属など)である場合には腸閉塞が問題になります。犬の症状は大きく分けて3つあり、「無症状」「嘔吐や下痢の消化管症状」「なんとなく元気がないなどのはっきりしない症状」です。

犬が誤飲をして腸閉塞を起こすのは何を食べたとき?

腸閉塞を起こす異物の代表としては、犬用のおもちゃ、布、果物や梅干しの種などがありますが、これらは飲んだ直後は無症状であることが多いです。飼い主さんがその場で気づいて、症状が出る前に動物病院にいらっしゃるおかげかもしれません。また基本的に胃はとても広いスペースであるため、ある程度大きなものであっても飲み込んだだけでは症状が出ないことがほとんどなのです。

犬が誤飲をして腸閉塞を起こすとどんな症状を起こす?

なんの症状もないため異物を飲み込んだことに飼い主さんが気づかず、半年や1年など経過してから他の病気で病院にきた時に胃の中に異物があるのが偶然発見される、なんていうこともよくあります。胃は広いスペースなのでこのようなこともありますが、腸管は細いため異物が詰まりやすく、腸閉塞を起こすと何度も何度も吐いてしまう、といった症状が出ます。

犬が誤飲すると危険なチョコレートやネギ類

犬が中毒を起こす危険な物として有名なものはチョコレートやネギ類などがあります。これらは嘔吐や下痢だけで済むこともありますが、食べた量や犬の体調によっては後から貧血や臓器障害が起こることもあり危険です。また、ツツジやヒキガエルなどは犬の命を奪うほどの強力な毒性を持っているため、食べた、もしくは舐めただけでも非常に危険です。

これらも始めは嘔吐などの症状だけの場合がほとんどです。いずれの場合であっても、症状だけでは重症度が判断が付かず、症状が出た時には手遅れな場合もあるので誤飲に気づいたら早めの対応が必要と言えるでしょう。

犬が誤飲をした時に自宅でやってはいけない応急処置

犬が誤飲したからなんとか早く対処しなくちゃ!と思っても、その処置自体が間違っていることが実はあるのです。犬が食べてはいけない物を食べた時に、吐かせるための処置としてインターネットなどで言われている方法がいくつかありますが、そのうちの「塩を大量に飲ませて吐かせる」「薄めたオキシドールを飲ませる」「水を大量に飲ませて吐かせる」は絶対にやってはいけません。

この3つの方法は、昔は犬の誤飲に対して動物病院でも行われていた処置なのですが、処置した犬が死亡するケースがあったため理由が追究され、現在では非常に危険な方法として認識されています。今は動物病院では、薬剤の静脈注射で嘔吐処置を行っています。

大量の塩や水を飲ませるなどの処置をされた犬は、急激に胃内のpHが変化し、体内のミネラルバランスが急激に大幅に変化することで脳神経症状などが引き起こされ死亡するケースがあります。

オキシドールを飲ませる処置をした後、胃内を内視鏡で見ると、真っ赤に炎症を起こして出血したりすることも分かっています。ですので、犬が誤飲をしたからといって慌てて吐かせようと、これらの方法をしてはいけません。

また、胃腸の粘膜を保護するために牛乳を飲ませる、といった方法もよく聞くかもしれません。しかし胃腸の保護の為牛乳を飲ませても、特別に有効な場合はありません。むしろ牛乳を飲ませてはダメな場合があり、タバコや防虫剤などを誤飲した場合には危険性が増すためしてはいけない処置になります。

犬の誤飲で自宅でもできる対処法

固形のもの(おもちゃの一部や布など)を飲み込んだ時は、まずそれ以上に飲み込まないように犬がくわえそうな物は全て取り上げます。そして、誤飲をした後はおやつや食事は与えないようにします。そしてすぐに動物病院に行き、獣医師の診察を受けましょう。

タバコ、液状のもの(除光液や洗剤など)を舐めたり飲んだりした場合は、可能であれば口の中を洗い流しましょう。この時、水は飲ませない方がいいため、濡れたタオルなどで口の周りや中を拭うだけでも良いです。

もしどうしても自宅で吐かせる処置をしたい時は、人間が自分にするときのように、指を喉の奥まで入れて吐き気をもよおさせます。この方法では噛まれないように注意が必要です。大量の塩や水・オキシドールを与えるようなことはやめてください。

つまり、自宅でできることは非常に限られており、まずは動物病院に電話をして指示を仰ぎ、必要に応じて受診することが最優先となります。もし夜間や休診日などでかかりつけの動物病院に連絡がつかなくても、夜間対応できる動物病院も最近では増えているのでそちらを受診することも考えましょう。

まとめ

犬の誤飲では、食べたもの種類によって症状が変わります。症状がない場合もありますが、嘔吐や下痢が最も一般的な症状です。

犬が誤飲した時に自宅でできる対処法はとても少なく、まずはさらなる誤飲を防ぐために、犬の口が届く場所のものは全て取り上げることが大切です。そして液体や粉状のものを食べたり飲んだ場合には、口の中を濡れたタオルで拭うなどしてなるべく物質を落とします。

そして誤飲が分かった時点で、動物病院に連絡して獣医師の指示をあおぐようにしましょう。犬の誤飲は飼い主さんの日頃の心がけで予防できるものですので、ぜひ頑張っていただきたいです。

今回の記事は獣医師のはるまき先生に教えていただきました。